サプリ健康戦略

あなたは大丈夫?【サプリメントの使い方】

みなさん、サプリメントは活用されていますか?国立健康栄養研究所のとある調査結果によると「3割以上の方がサプリメントを毎日飲んでいる」という結果があったそうです。

サプリメントの広告なんかを見ると、つい「やっぱり飲んでおいたほうがいいわね」と言って手に取ってしまうことって、ないですか?

でも、健康のためにサプリメントを活用しようとしているなら、注意しておかないといけないことがあります。

ちなみに、私は京都大学薬学部出身で薬剤師でもありますので、科学的知識からお伝えできることがあります。

もちろん絶対的な知識ではありませんが、明らかに売ろうとしてあおっている情報はわかります

なぜ、サプリメントを飲むの?

食事に自信がないから?

前提として、食生活に自信のない方が非常に増えているのは間違いないと思います。出来あがった料理を買ってきて温めて食べてるとか、ファーストフードで脂っこくて不健康とか、ジャンクフードはからだがボロボロになる、とか。たくさん手軽に食べられる食事が増えていますからね。

色々と食生活の不安をあおるような情報もたくさん流れてきているし、実際に、理想の食生活ができない生活を送ることはあると思います。

でも、はっきり言いますが、サプリメントで食生活の乱れを補おうと考えることはムダです。理由はのちほど述べますね。

不調の原因は栄養素の不足?

これもよくあるのですが、体調がよくないのは、栄養不足のせいだという神話。ある栄養成分の不足で体調が悪くなることは確かにありますが、それは「欠乏症」として医療機関で診断してもらうべきです。

「こんな症状があったら、この栄養素が不足かも!」なんていうのを 素人診断してはいけません。

加齢とともに、この体内成分が減っていきます?

実際にそうなのかもしれませんが、それをサプリで補ってなんとかなるっていうのは、安易な考えです。加齢で変化が起こっているのは、その成分だけではないのです。人のからだには調整機能が備わっていて、加齢に伴う変化にいろいろと対応しているのです。だから、何かの成分が足りないだけで調子が悪いとか、この成分が足りれば調子がよくなるとかは、加齢に関して言えば期待しないほうがいいです。加齢って、いろんなところに変化が現れるんですよー

生活の乱れにサプリが効く?

睡眠不足、運動不足、タバコなどの生活習慣の乱れに対して、おすすめをしてくるサプリメントもよく見かけますが、睡眠不足、運動不足、タバコによる体調の変化は、サプリなんかで解消できるわけがありません!

ダイエットサプリや酵素は・・・別の回のテーマにします!

ダイエットサプリや酵素サプリなんかは、いろいろとお伝えしたほうがよさそうなことがありますので、別の投稿で書きます。(つまり、注意って、ことなんですけど)

健康食品業界を敵に回して、はっきり言うぞ!

いえ、健康食品業界は、私なんて相手にしていないと思いますので、思い切って言えます…。

そもそも「サプリメント」の定義は「ない」

日本では「サプリメント」の行政的な定義がありません。サプリメントどころか「健康食品」にも定義がないので、企業がサプリメントという言葉を自由に使うことができます。医薬品と区別できればいいのです。サプリメントは医薬品ではないというのがポイントです。

ちなみに、定義があるのは「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」という区分です。それらは一応、国の制度によって決められています。

定義がないので、製造管理も自主規制でよい

医薬品は国に製造基準が決められており、また、海外でも使われることが多いので、国際基準に準拠していたりして、製造管理がしっかりしています。対して、サプリメントはぶっちゃけ、食品工場で作れます。だって、健康食品の一種がサプリメントですから、当然ですよね。しかも、植物由来と言っているサプリメントも数多くありますから、当然と言えば当然です。

植物由来、天然由来は要確認!

植物由来とか天然由来ということで、合成成分を使ってないようなイメージを与えるものがありますが、「合成成分はいっさい使っておりません」という表示がない限りは、植物由来成分を使っているというに過ぎません。ひどいのになると、「植物由来!」と宣伝していても、その植物由来成分がほんのわずかで、ほとんどほかの成分というのもあるので、要注意です。

医薬品でないからこそ、イメージ表現にだまされるな!

医薬品でないので、「こんな症状に」とか「こんな効果があります」という表示はさすがに禁じられています。 「すっきり」「やさしく」「痛くない」などのイメージ表現が使われます。

それゆえに、むしろイメージをあおる表現が多く使われているので、そのイメージを自分で膨らませて解釈しないように注意しましょう。

体験談は、あなたには当てはまらない!

体験談っていうのは「あくまで個人の感想」です。年齢も食生活も違うあなたには当てはまりません。

ご存じかもしれませんが、体験談のモニターさんはアルバイトだったりします。しかも、写真はイメージモデルさんであって、そのサプリを飲んだ人ではないですから!

有名人のCMも、お金もらってやってますからね。 使ってるといってもそのサプリだけじゃなくて、他にいろいろと健康に気を遣って苦労されているんですよ!

専門の研究者のコメントを簡単に信用しない

研究結果なんてのも一部の医師や研究者の主張だったり、下手するとお金もらってデータを都合よく見せたりしますから「医師がおすすめしてたから信用」というのは間違いです。

医師だってというか、医師だからこそお金大好きな人が多いって、皆さんも気づいてますよね?

研究というのは、同じ条件にすれば同じ結果が出るのが研究成果です。その条件もあいまいなものは、信用に値しません。

動物実験データは、からだのデータではない!

よくあるのが、「マウスでその効果が確認されました」というものですが、それは人で同じことが起こるかどうかはわかりません。可能性はありますが、限りなく低いというが医薬品の新薬開発でマウスのデータをさんざん見てきた私の感覚です。もちろん、同じ可能性はありますが、そんなに焦らず、人で効果があるのがわかってからでいいじゃない?というのが個人的な思いです。

あと、「細胞に添加したらこんな現象が認められました」みたいな実験系のも、同じです。

「成分を凝縮しました」「野菜何個分」は設定がおかしい

さっきもお伝えしましたが、サプリメントには定義がないので、成分量にすごく幅があります。厚生労働省が推奨する1日量をはるかに下回るものや大きく上回るものもあって、設定がおかしいものがほんとによく見受けられます。

例えば、医療用医薬品と同じ成分を含むサプリがあったんですが、その含有量が医薬品の用法用量の7倍くらい入っているって書いてあるのを見てびっくりしたことがあります。普通にamazonとか楽天市場で売ってるものですよ。医薬品では、重大な副作用の危険があるから最小限の使用にとどめること、みたいな意味の「使用上の注意」があるのに、ほんと怖いです。

こういうのって、医師や薬剤師、看護師とかでないとわからないじゃないですか。何かあったら、どうするんでしょうか。サプリのせいじゃないと逃げ回るのか、それとも、本当はそれほどの量が入っていないのか、謎です。

サプリを使うなら、こう選べ!

サプリの前に、自分の身体を信じよう!

人間の身体って、古来より、食事を十分に毎回できなくてもいいようになっているはずです。狩猟時代には、獲物や収穫が出来なくて、貯蔵品もなければ、食事はしていなかったはずです。

ですので、さほど、栄養成分の不足にそこまで神経質になる必要はありません。人間には「ホメオスタシス」といって状態を保とうとする機能があります。つまり、カルシウムが体内で足りなくなれば、カルシウムを体内から排泄しにくくします。もっと重要な成分であれば、体内に貯蔵する機能もあります。

そもそも栄養成分って、使い捨てでなく何度も体内で使いまわしもできたり、さほど体外に排泄されない成分もあるんです。

加工食品や添加物でからだの機能が弱ってる?そんなときは、まず、加工食品や添加物を減らすことを考えるべきです。

そして、何より、食生活の乱れや生活の乱れが気になっているのであれば、そちらを改善することに注意を払うことがあなたの人生を豊かにするでしょう。

そんな気軽に飲めるサプリに頼るというのは、単に気休めに過ぎず、結果的に、望む健康は手に入れられないということになりかねません。

もし選ぶとすれば、あなたに合ってるのはこのサプリ

もし、あなたの身体に、ある栄養成分が不足していて、そこに適切にサプリメントで成分が補充されたとしたら、「そのときは劇的に効果があらわれます

ですので、もし試してみて、劇的な効果がなければ、いくら続けても効果はありません。加齢とともに減っていくので補充しましょうと言われても無視です。

だんだん効果が出てくるというのも、私は一切、相手にしません。有効な成分を補充したのならば、なぜ効果がじわじわなのか理屈がわかりません。吸収してないんでしょうか?

サプリでも副作用には注意!

サプリメントでも、重大な副作用が報告されているものもありますし、販売停止処分を受けたものもあります。ですので、漫然と使うのはほんとにやめたほうがいいです。

結論:やっぱりサプリには頼らない

気軽に体調を変えたい気持ちはわからなくはないです。忙しくて、食事の準備なんてできない。仕事が遅くて、睡眠時間も確保できない。

でも、休みの日に料理をして冷凍したり、食事を買うときでもちょっとずつ意識を変えたり、お弁当を持っていくようにしたり、ちょっと努力してみましょう。ずいぶんと違います。

加工食品もサプリメントも、消費者の不安をあおって、売ろうとしてきます。決して、それに負けないで、自分のからだを自分で守りましょう!

出来ることから、始めましょう。具体的なコツは、また、投稿していきますので!